紳士服、婦人服及び関連商品のS.P.A.(製造から小売りまでを一貫して行う小売業)を行っています。
2016年8月に東証二部から東証一部に上場し、やや強気な中期計画が発表されたので少し注目してみました。
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3年後の営業利益は2倍強目標!
平成28年/8月期の業績は売上高68億、営業利益4.3億だったオンリー。
平成24年以降の業績では売上、営業利益ともに過去最低の数字となっていますが、来期以降に立てられた業績目標はここからV字回復を想定した内容でした。
《平成24年以降の業績》
損益計算書(百万円) | |||||
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決算期 | H24/8 | H25/8 | H26/8 | H27/8 | H28/8 |
売上高 | 7,009 | 7,222 | 7,307 | 7,130 | 6,824 |
営業利益 | 898 | 1,072 | 960 | 779 | 435 |
経常利益 | 915 | 1,101 | 1,000 | 859 | 622 |
当期利益 | 486 | 642 | 574 | 465 | 277 |
《中期経営計画の業績目標》
決算期 | H28/8 | H29/8 | H30/8 | H31/8 |
売上高 | 6,824 | 7,000 | 7,500 | 8,000 |
営業利益 | 435 | 620 | 830 | 1,050 |
経常利益 | 622 | 760 | 945 | 1,170 |
当期利益 | 277 | 465 | 530 | 660 |
3年後の平成31年/8月期には売上17.2%増、営業利益141.3%増の強気な目標です。
この目標を達成するために一体何に取り組んでいくのか?
中期計画の中身を見ると、重点的に取り組む課題として以下の3項目が挙げられていました。
・既存事業の再構築
・ウィメンズ事業の強化
・EC事業の強化
これらの部分を強化していくことが事業拡大、強いては中期計画の達成に直結してくるわけですが、具体的にどんなことをしようとしているのか、それぞれのポイントに関して勝手に自己分析してみました。
既存事業の再構築
- 店舗環境の整備
- 商品戦略
- 人材育成
既存事業の再構築に関しては上の3つの施策が挙げられていました。
恐らく、自社ビルにオープンした店舗を1年経たずに閉店したことや、事業全体で見ても前期末と比べ6店舗減となっている状況から察するに、今の状態のまま店舗を増やしても収益増加があまり見込めないと判断したことが既存事業の再構築ということにつながったのではないでしょうか。
店舗の改装や価格の見直しなども積極的に行われているみたいで、ブランドイメージもここからガラッと変わってくるかもしれませんね。
ウィメンズ事業の強化
少子高齢化などにより市場全体のスーツ着用人口は減少傾向ですが、そんな中ウィメンズスーツの需要は増加傾向らしいです。
ただその需要増加にも関わらず当社の全体的なウィメンズ売上は減少しているので、全体的なウィメンズ事業強化の取り組みが課題として挙げられています。
女性のニーズに対応した商品企画や女性客が快適に買い物できる店舗環境作りを掲げていますので、今後ウィメンズ専門の店舗や商品がもっと増えてくるかもしれません。
EC事業の強化
現在、自社ECサイト以外にもファッション通販サイト「ZOZOTOWN」でも当社商品の購入ができるようになってきました。
他社プラットフォームの活用やWEBマーケティングの活用を強化ポイントに挙げてますので、今後もっとオンラインで購入できる窓口が増えてきそうですね。
『実店舗への送客効果による店舗売上の拡大も図ります。』という記載があるのでWEBサイトを見て店舗に行くと何かしらの特典がもらえる施策も今後出てくるかもしれません。
指数は割安だが、、、
小売業ということで、現在の指数を見ると大分割安ではあります。
小売業の東証一部平均PERは25.2ですが、
オンリーのPERは現在8.2!
PERだけ見ると、適正値の約1/3でとても割安に見えますが、
一概にその数字だけ鵜呑みにできないのが株式投資の難しいところ。
オンリーのここ数年の利益を見ると、
通期によって大分浮き沈みが激しいので、
目先の数字の割安性だけで投資を判断するのは危ういかもしれません。
上記で述べた中期計画の通り業績が推移するのであれば、
現状の割安性に加え、更なる成長期待も加味されるので、
大きな株価の上昇も見込めそうですが、
今後の紳士服に対する市場需要なども考えてみると、
ここまで業績が伸びるのか?
という疑問も少なからず湧いてきます。
こういう不透明性があるところに、
投資をすればその分リターンも大きいのですが、
失敗した時はいつまで経っても株価が上昇しなかったり、
じわじわ下がって損失が膨らんでくるなんてこともあるので、
その分も考慮して投資はしていく必要がありますね。
ここらへんは投資スタイルの違いもあるので、
何が正解かというのはないと思いますが、
私は現時点ではオンリーの投資はしないです。
紳士服市場において、
他社と差別化できるオンリーブランド独自の強みが出てくれば面白いと思いますけどね。