研究開発、製造工程分野、品質管理、環境分析関連などの広い分野における分析・試験・検査に製品を提供しているジーエルサイエンス。
当企業は分析機器事業がメインなんですが、上場子会社を中心に展開している半導体事業も好調で業績が飛躍的に伸びてきています。
業績は好調にも関わらず、ありとあらゆる指数が割安な部分も気になり、取り上げてみます。
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分析機器事業&半導体事業の業績
今期の好調な業績の要因は主力となる分析機器事業と子会社テクノクオーツの半導体事業が伸びてきていることがあげられます。
【今期第2四半期連結累計期間のセグメント別業績】
各セグメント | 売上 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
分析機器 | 5,692 | 7.7% | 379 | +232.2% |
半導体 | 3,101 | 14.0% | 301 | +104.5% |
分析機器事業は公官庁および民間の予算がここ数年にないくらい堅調に推移しており、水質分析、食品分析が回復基調にあるそうです。
エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)で大型分注装置関連が増えたり、中国やインドで自社製品が好調に売れています。
半導体事業は市場を牽引していたスマートフォン市場の伸びが鈍化してきていますが、半導体メーカーの微細化、3D-NANDなどへの設備投資が回復してきており、新たな市場の伸びが期待できる環境が出来つつあります。
そんな中、子会社テクノクオーツの半導体事業も例年になく好調に推移。昨年から業績の上方修正がちょいちょい発表されています。
気づけば通期の予想も営業利益は前年比3倍に。
【テクノクオーツ営業利益】
2016.03/181百万円
2017.03/605百万円(期初予想は208百万円でした)
指数は何もかもが割安
そんな事業が好調なジーエルサイエンスなので、気になって色々指数を測ってみたのですが、ほとんどの指数で大幅に割安な数字が出ました。
【2/3現在のPER:9.9倍】
同業種PER:
20.7(東証二部精密機器)
同業他社PER:
7701島津製作所/23.5
6656インスペック/37.6
PEGレシオ(2013.03~2017.03)
0.37
※1未満は割安
営業利益倍率
5.89
※8~10倍を切れば割安
実質PER(株価から1株現金を引いた指数)
11倍
ん~こんなに色々な指数が割安な数字をたたき出す銘柄はなかなかお目にかかれないですね。
先日ストップ高をつけましたが、まだまだ割安といえる数字です。
何でこんなに割安なのに放置されているのでしょうか?
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半導体事業は収益に安定性がない?
割安で放置されている理由の一つに、業績を牽引している半導体事業の不安定さがあると予想します。
2016年3月期までのテクノクオーツの業績を見るとその乱高下が分かるかと思います。
2013.03/営業利益487百万円
2014.03/営業利益766百万円
2015.03/営業利益218百万円
2016.03/営業利益181百万円
今回の業績上方修正の幅を見ても、安定性がないのは感じますね。
ここらへんが株価が割安で放置されている1つの要因になっているのではないでしょうか。
今後も安定的に利益が確保できる市場があれば、もっと株価も伸びるかもしれません。
(他に原因があるかもですが、これくらいしか私には思い当たるものがありません。)
来期は創業50周年。もしかしたら一部昇格も?
1968年2月に創業されたジーエルサイエンス。
そう、来年で50周年を迎えます。
現時点で株主数の条件は満たしてはいませんが、
2年前には株式分割を行ったりしているので、
もしかしたらそのタイミングで一部昇格を狙っているかもしれませんね。
今期にまた分割や優待新設など行われるのであれば、
その期待も高まってきます。