私の投資スタイルの中で株価のブレイクアウトを狙った新高値株があります。
株価のブレイクアウトとは簡単にいうと、
今まで、ある一定の範囲で推移していた株価がその一定の範囲を超えて、
どんどんと上昇していくことを言います。
この株価のブレイクアウトを起こした新高値株は、
従来の高値を更新して上がり続けていくものなので、
売り時の判断が非常に難しくなってきます。
「一体どこまで上がってしまうんだろう?」
と言った感覚ですね。
この新高値株を売る時の判断材料には、
ファンダメンタル要素だったり、
株価の天井圏を知らせるチャートのサイン「三空」だったりがあるのですが、
今回はその判断材料の一つで、
新高値株のみに適用される『売り圧力レシオ』というテクニカル指数の計算方法について述べてみようと思います。
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売り圧力レシオの計算方法
売り圧力レシオの計算式ですが、最初に公式だけお伝えすると以下のようになります。
この売り圧力レシオが1.16~1.18即ち116%~118%になる(もしくは超える)と売りです。
これがどういうことを現している数字かというと、売りの力が買いの力を上回ったことを知らせる数字になります。
新高値を記録した株価のトレンドが上昇から下落に切り替わったという見方ができる、といった方が伝わりやすいでしょうか。
売り株数、買い株数というのは1日に記録される出来高と1日の中で株価がつける始値・終値・安値・高値で計算されます。
その数字の20日間の合計を売り÷買いで算出し、売りの力が買いの力のどれくらいに達しているかというのを測ります。
実際に売り株数、買い株数はどうやって計算するのか?
それにはまず陽線をつけるローソク足と陰線をつけるローソク足のそれぞれの買いの力と売りの力を前日の終値から測ります。
株価の動きで陽線がつく時、株価は以下のように動きます。
前日の終値(⇒または→)始値→安値⇒高値→終値
株価の動きで陰線がつく時、株価は以下のように動きます。
前日の終値(⇒または→)始値⇒高値→安値⇒終値
⇒が買いの力、→が売りの力として計算し、それを以下の公式に当てはめて計算します。
買いの株数=買いの力÷(買いの力+売りの力)×当日の出来高
売りの株数=売りの力÷(買いの力+売りの力)×当日の出来高
ポイントは陽線と陰線の時で数字の取り方が変わるのと、前日の終値の部分が買いの力になるか、売りの力になるか、間違いのないようにしないといけません。
実際に具体的な数字で計算
論理はわかったところで実際の数字を入れて計算してみます。
例えば以下の株価。
前日終値:450
始値:460
安値:410
高値:500
終値:470
当日の出来高:5000
このローソク足だと始値460、終値470なので、この場合は陽線として計算します。
買いの力は
始値460-前日終値450=10
高値500-安値410=90
の合計で100
売りの力は
始値460-安値410=50
高値500-終値470=30
の合計で80
100÷(100+80)×5000=買いの株数2777
80÷(100+80)×5000=売りの株数2222
となります。
これを20日間分の合計で計算し、売り圧力レシオを出します。
冒頭でも言いましたが、この数字が116%~118%になる(もしくは超える)と売りです。
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売りの指数が出たところが株価の天井とは限らない
さて、ここまで長々と新高値株の売り指数「売り圧力レシオ」に関して説明をさせていただきましたが、
最後にひとつ、この計算で出た売り指数が必ずしも株価の天井を意味するわけではありません。
この指数が出た後に、株価が上昇することももちろんあります。
なんじゃそりゃ!
なんて思う方もいるかもしれませんが、
そもそもの大前提として株価というのは、日々上がったり、下がったりするものであり、
大底で買って天井で売るなんてことを狙ってすることはまずできません。
この指数は売りの圧力が買いの圧力を上回り、
上昇していた新高値株のトレンドが下落に変換しそうなところを教えてくれるものです。
極端な話、
株を購入した理由が新高値とかチャートに関係なく、
数日後にとんでもない上昇材料が出そうとか、
株価に企業価値が全く折り込まれていないとか、
トレンドに関係ない部分で保有しているのであれば、
この「売り圧力レシオ」は無視していいと思います。
「売り圧力レシオ」はあくまで
日中の株価の動きを基に算出されたトレンドの転換指数だということを覚えておきましょう。
今回のこの「売り圧力レシオ」に関しては以下の書籍を参考にしました!
もっと詳しく新高値株や売り圧力レシオについて知りたい!という方にはオススメの本ですよ。
売り圧力レシオ以外にも損切り、利確に興味ある方はこちらの記事もオススメです!