「四季報を精読していないとか素人かよ」
これは先日私がある友人に言われた一言です。
ちなみに、ここでいう『精読』とは「全ページ読んで銘柄探しをすること」を指します。
「いやいや、殆どの投資家は精読していないだろ」
こう思う私の感覚ってずれてないですよね?笑
そもそも私の場合、四季報はCD-ROM版でスクリーニングをするなどの利用だったのですが、その友人曰く「紙の四季報」を1冊丸々精読してこそ得られるものがあるとか。
「まぁ、そこまで言うなら物は試しで1回精読しますかね。」
とやってみましたが、これがかなり時間がかかりまして。
3日半かかりましたわ。
かなりしんどかったですが、冒頭の素人発言がだいぶ発奮材料になりました。
本当我ながらすぐムキになってしまうのは血筋でしょうか。
煽り耐性を数値で測るものがあったら私だいぶ低いですよ。
ただ、そういうムキになる気質が災いしてか、人生で初めて1冊丸々読み込んでみましたが、読み終えた後というのは何だかんだ充実感ありますよね。
(自己満足ですな…)
四季報は特に決まった読み方があるわけではないので、今回読み込んでみて、自分なりにどういう部分で銘柄選定をしたのか、良い銘柄を見分けるためのポイントをお伝えします。
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チャートとPER
四季報で銘柄選定をする時、私はまずページ上に記載してある月足チャートを見ます。
↓この赤枠の部分ですね。
ここでチャートの形が下落トレンド入りしている銘柄は外します。
日足週足ならともかく、月足チャートで下落トレンド入りしてるってことは、長期的に見てまだまだ浮上まで時間がかかるってことですからね。
私の投資は基本的に中長期でやる投資ですが、あえてわざわざここから下がる可能性が高い銘柄をピックアップする必要はないので、このチャートの形でまずふるい落としの作業をします。
そして同時にPERもチェックします。
PERが60倍以上の銘柄は投資対象から外します。
ここではチャートが下落トレンド入りしていない銘柄も除外対象ですね。
PERとは株価の割安度を測る指数ですが、現在日本の株式相場の平均PERが15倍前後と言われています。
この数値は業種により振れ幅があるので、15倍より高い銘柄が一概に割高であるとは言い切れませんが、さすがに現時点で60倍までいってる銘柄はいつ急落してもおかしくないレベルだと思うので、銘柄選定から外します。
ちなみになぜ60倍かというと、それは株の公式に書いてあったからその数値を参考にしてます。
- 月足チャートで下落トレンド入りは排除
- PER60倍以上は排除
キャッシュフロー
さて、チャートとPERを見た後はキャッシュフローをチェックです。
↓この赤枠の部分ですね。
このキャッシュフローで何を見るかというと、営業CFを見ます。
営業CFとは、本業でどれだけの現金を生み出しているかを見る数値ですね。
黒字であれば普通に数字が書いてありますが、赤字であれば▲がつきます。
ちなみに()の数字は前年度の数値です。
この営業CFに▲がついてたら投資対象から外します。
営業CFが▲ということは本業を続けるたびに、会社の現金が減っているということです。
現金がなくなってしまえば会社は倒産します。
一概に▲だからといって全ての会社に倒産危機があるわけではないですが、そこまで分析するのは時間がかかりますからね。
疑わしきは排除です。
- 営業CFが▲は排除
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業績
チャートとPERとCFをチェックしたら次は業績です。
この作業からふるい落としではなく、見出す作業になります。
↓業績はこの赤枠の部分。
見るのは「売上高」と「営業利益」の年間推移です。
それ以外は一切見ません。
まぁ、視界には入りますけど。
この業績で「売上高」と「営業利益」が右肩上がりの銘柄を探します。
ただ、ここらへんが少し感覚的なものもありますが、1年くらい落ち込んでる年があってもアリ!となるパターンもあります。
業績が回復してる途中かもしれませんしね。
アリ!となった銘柄のみ次の選定作業に入ります。
- 業績の「売上高」と「営業利益」が右肩上がりの銘柄を探す。
1年くらいの落ち込みは許容範囲。
時価総額
業績で見出したあとは銘柄の時価総額を見ます。
↓時価総額はこの赤枠の部分。
時価総額が100億円を超える銘柄は投資対象から外します。
ただ、業績の推移が飛びぬけて良い場合は一応残しますけど。
例えば売上や利益が過去3年にわたり20%以上で推移してるやつとかね。
そんな数字で推移してる銘柄は、時価総額関係ないでしょ!
なぜ時価総額にこだわるかというと、時価総額が大きい銘柄はある程度企業としての成長が落ち着いているか、もしくは株価に対して将来の成長性がかなり織り込まれているケースが多いからです。
- 時価総額が100億円を超える企業は排除。
ただし売上や利益の推移が飛びぬけて良い場合はアリ。
基本情報とコメント
これまでの項目をクリアした銘柄であれば、最後に基本情報とコメントを読んで判断します。
↓この赤枠の部分。
ここらへんで、可能性を感じそうな銘柄であれば、四季報の選定では合格です。
可能性を感じそう…というのがすごい曖昧ですが、ん~ここは雰囲気なんですよね。
例えば上のエムスリーだと、「マーケティング支援」とか「承認取得」「人工知能の診断」など、なんだか将来性ありそうな言葉が使われており今後の成長に可能性を感じるじゃないですか!?
この場合は合格です。
あとよく見るのだと、「海外展開」とか「M&A」とか。
これまでの事業がさらに加速しそうなことを感じたらとりあえず合格です。
あれ、あまり伝わらないかな?
あとは、ここから2019年の株式相場は見通しが悲観的なので、景気敏感な業種は極力避けるようにしました。
自動車関連、人材関連…etc
まぁ、基本的に気分なんですけど。
基本情報やコメントを読んで、可能性を感じたら合格。
まとめ
-
月足チャートで下落トレンド入りは排除
-
PER60倍以上は排除
-
営業CFが▲は排除
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業績の「売上高」と「営業利益」が右肩上がりの銘柄を探す。
1年くらいの落ち込みは許容範囲。 -
時価総額が100億円を超える企業は排除。
ただし売上や利益の推移が飛びぬけて良い場合はアリ。 -
基本情報やコメントを読んで、可能性を感じたら合格。
とりあえずこちらが今自分が実践している四季報での銘柄選定です。
大体この作業をやると、2~3分で見開きは読めます。
こんな感じでポンポンと読み進めても3日半かかりましたけどね。
あなたもこの機会に四季報を精読して、早く玄人の仲間入りをしましょう。
「四季報を精読していないとか素人かよ」